かねてからの目標の一つだったMt.富士ヒルクライムレース(通称富士ヒル)に出場して、1時間39分で無事完走できました。
富士ヒルとは、老いという人の宿命に抗うため、もがき苦しみ、それに打ち勝った先にある達成感を掴み取るためのイベントです。
今回は出場した経験をもとに富士ヒルを早く完走し、ゴールドリングを獲得するための方法論…ではなく、人はなぜ自転車で富士山に登るのか、というテーマについて考察した記事にしたいと思います。
この記事を読んでほしい人
・体の衰えを感じている方
・いつでも若々しくありたい方
・富士ヒルに興味がある方
・人生観を変えたい方
・自分には富士ヒルなんて無理じゃないかと思い込んでいる方
・なぜ、こんなに辛い思いをするのか分からない方
・富士ヒルに出るなんて、うちの旦那がおかしくなってしまったんじゃないか、と思っているご家族の方
Mt富士ヒルクライムレース(通称富士ヒル)とは

なぜ人は自転車で山を登るのか
富士山をチャリで登るなんて信じられない!頭がおかしいとしか思えない!
そう思っている方々も多いことでしょう。
はい、そうです。全くもってその通りです(笑)
私も、ロードバイク に乗るまではお金を払って、ヒルクライムレースやフルマラソン、ましてやトライアスロンに参加するなど、全くもって意味不明でした。
そういうのは、お金があって生活に余裕がある人がやる趣味なんだろうな、と漠然と思っていました。
少し想像すればわかることですが、自転車で坂を登れば、どうなるかというと。
息は切れるわ、心臓に負担がかかるわで、汗ダクダクになるわ、足もパンパンになるわ、とにもかくにも息もできなくなるくらい苦しすぎて、
自転車で坂を登るな!もうやめてくれ!苦しい!休ませてくれ!
というように、ありとあらゆる危険信号を出してやめさせようとする、自身の体からの訴えをダイレクトに感じることができます。最初の頃は、マジで死ぬかもという状態に陥ります。
これは何も自転車に限ったことではなく、フルマラソンやトライアスロンでも同じですけどね。
では苦痛を感じたい特殊な人、いわゆる変態と呼ばれたり、モノ好きな人だけが登るのか、というとそれも少し違うと思います。
簡単にいうと、「苦しみの先にある、何ものにも変えられない、非日常感や達成感を味わいたい」そんな思いで走る人が多いのではないかと思います。
また、達成感の先にあるご褒美(例えばキンキンのビールだったり、モンスターエナジー、コカコーラ)は、もう飛ぶくらい最高ですよ(笑)
人は年をとる生き物
少し哲学的な話になりますが、人は年をとる生き物です。
こればかりは、どんなに持って生まれた能力が優秀だろうが、お金持ちだろうが関係なく、誰にでも平等に与えられているいわば宿命です。現代の科学技術を持ってしても誰も若返ることはできません。みんな同じように歳をとります。
私もアラフォーになり、いよいよ体の衰えを感じる年になってきました。正確には30歳を過ぎた頃から感じ始めていました。あなたはどうでしょうか?
20代の頃には何も考えなくても当たり前のようにできていたことが、いつの間にかできなくなっている。そしてそれが、年をとるごとに誤魔化せなくなっていく。
そんなえも知れぬ恐怖から、ほとんどの方は目を背けて生活しているのではないでしょうか。
まともに向き合ったら、日々衰えていく自分の体に対して、絶望しかないように思えてしまいます。
でも実際はそうではありません。
何もしなければ、年齢と共に老化が加速していく、のだと思います。
逆に言えば、何かをする限り老化を遅れさせることができ、それどころか人によっては若い時よりも成長することができます。現に私は常に今がベストだと思えるようになってきました。
いつまでも若くありたい、健康で充実した毎日を送りたい、このまま年をとって老いたくない。
そういった欲求を満たし、老いという人間にとっての宿命に抗うための術(すべ)の一つが、人が山を登る理由であり、富士ヒルはまさにうってつけなのだと私は思います。
なんと言っても、日本に住む誰もが知る日本最高峰の山ですからね。全く富士ヒルを知らない人でも、あの富士山を自転車で登る、なんて言ったらほとんどの方が、目を丸くしてビックリすることでしょう。場合によっては、引かれることも。それがだんだんと快感になります(これが変態の定義です)。
そしてひとたびレースに参加すれば、
「この坂半端なくキツいですね!」
「もう少しですね。お互い頑張りましょう!」
と、顔も知らぬ人と声を掛け励まし合ったり、同じ目標を一緒に達成して意気投合、これまでの人生で交わることのなかった人と性別や年齢を問わず仲良くなる、そんな素敵な出会いもこの富士ヒルにはあると思います。直接出会わなくても、SNS上でのやり取りでもお互いにパワーを貰えます。
SNSなので嘘をついたりマウントを取る人もいるでしょうが、そんなことをしても自分自身が虚しいだけ。本番はもちろん、練習でも目標を達成した時の気持ちは他人と共有することでよりモチベーションアップにつながります。
実際、参加者も予想以上に多くて、老若男女、特に若い女性の方が多く参加していることに驚きました。数人でしたが子供さんもいましたね(おじさんはあえなく抜かれました。)。
これは多くの女性インフルエンサーさんの活躍の賜物なのではないでしょうか。
男性だけの暑苦しい大会(笑)も好きですが、女性や子供にも開かれた大会って凄くいいですよね。
むしろ男性よりも女性の方が早かったりします(笑)
いや、本当に。
ヒルクライムレースは山や峠を登るため、最大の敵は重力。
坂になれば、自転車の重さ+自分の全体重が全て体にのしかかります。つまり、体重の軽い人ほど有利になります。体重が軽く非力なはずの女性や子供が、筋肉ゴリゴリのマッチョマンや速そうな格好をした男性を颯爽と追い越す姿もよく見かけました。
私も恵まれた体躯を持っているわけではないので、そういう所でも魅力を感じています。
今年は出走者7306人。完走率は、なんと99%でした!
制限時間が長めに設定されていることや、いわゆる激坂と呼ばれる区間が他のヒルクライムレースに比べて少ないことが理由として挙げられるかと思います。キツい時は自転車を押したり、途中で止まって休憩している人もよく見かけました。
華奢な方でも練習を積めば、誰でも完走できるレース、それが富士ヒルクライムレースの醍醐味なのかも知れません。初心者ですと、約2〜3時間は自転車を漕ぎ続けることになります。それができないと完走できませんのでまずはそこから。
体の小さい人が大きい人を越えることのできるレースって、なかなかないと思います。
自分には無理だと思い込んでいる方へ
年を取っても現役のように活躍されている方は、世の中にたくさんいらっしゃいます。
そのような方々ほど、日々自己研鑽をされていて、大変などころかむしろ充実した生活を送っているように見えます。
80歳を超えた現役のトライアスリート、稲田弘(いなだひろむ)さんがその最たる例だと、私は思います。
稲田さんはいまだに成長し続けており、今も自己ベストを更新しているとのこと。
仕事を退職されるまで全く運動をしていなかった方が、60歳を過ぎてから全く泳げなかった水泳に挑戦し始めて、なんと70歳でトライアスロンデビュー!
今や世界最高峰のトライアスロン、アイアンマンレースを世界最高齢で完走しているのですから、若輩者の我々にできない理由はありませんよね?
富士ヒルにも多くの高齢者の方々が、必死に汗をかきながら参加されています。しかも私なんかよりももっと早いタイムでゴールしてる。
人は何歳になっても成長できる!
諦めたらそこで試合終了。老化の始まりですよ。
少しでも興味を持った方は、富士ヒルクライムにエントリーすることから始めましょう。

それでは、また!
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