チャンスの神様は前髪しかない。私はこの言葉が好きではありません。
要は、チャンスの神様は前髪しかない(後ろはツルツルらしい)から、向こうからやってきたときに掴まないと、後から掴もうと思っても掴むことが出来ない(掴もうとしてもツルツル滑るから)、という意味です。
人間関係や、ビジネスなどにおいて、
相手からきた誘い(チャンス)は、後から掴めないからすぐに掴もう!
というように使われています。
私は、この言葉を使って誘ってくる人は信用できません。
今回は、この【チャンスの神様は前髪しかない。】という言葉について記事にしたいと思います。
この記事を読んで欲しい人
・人からよく騙されてしまう人
・店員や知り合いから買いたくもない商品を買わされた経験のある人
・これから投資などの資産運用を始めようとしている人
結論
【チャンスの神様は前髪しかない】という言葉は、詐欺で使われる常套手段の一つなので注意が必要。
自分自身がチャンスだ!と捉えてすぐに掴むならいいのですが、相手側から
・これはチャンスですよ!
・今だけですよ!
と言われた場合は、過去からの経験上、ほぼ詐欺か一方的に売買や契約をさせる可能性が高いです。
この言葉が使われる全てが詐欺だ、とは言いません。
ただし、TwitterやInstagram、clubhouseなどで聞いていると、どちらかといえばいい意味での格言や名言として用いられています。
迷う暇があったらまず行動しよう!という意味で使われる分には良いのですが、相手が考える猶予を与えずに、決断させるという側面も持っているので、注意が必要な言葉だと感じます。
なお、この言葉が意味する、【相手が考える猶予を与えずに今すぐ決断させる】というやり方は、過去に紹介したFACTFULNESS(ファクトフルネス)という本でいうところの、焦り本能を刺激して相手に冷静な判断をさせないようにする手法です。
FACTFULNESSについては、過去記事で紹介していますので、興味のある方はどうぞ。
Youtube大学の中田敦彦さんが紹介しており、Amazonのベストセラーにもなっていた有名な本です。
そもそも本能とは
本能(ほんのう)とは、
動物個体が、学習・条件反射や経験によらず、生得的にもつ行動様式。帰巣本能・生殖本能・防御本能など。(weblio.jpより)
つまりその行動を行おうとして行うのではなく、頭で考えるより先に、体が動いてしまうようなことが本能が働いている(本能に支配されている)状態です。
例えばあなたに向かって勢いよくボールが飛んできて、
「危ない!」
となった時に、どう対処しようか考えてから動いていたら、ボールが当たって怪我をしてしまいますよね?
この、考えるよりも体が先に動いて怪我をしないようにする動作こそ本能によるものです。
だからボールが見えていれば無意識に目を閉じたり、手でガードしたり、たとえ見えていなかったとしても「危ない!」という声が聞こえたら、無意識にしゃがんだり、手で頭を守る行動をとったりする、アレです。
こういった時に働いているのは、防衛本能です。
さらに詳しく知りたい方は、過去記事で説明しておりますので上記のリンクからどうぞ!
焦り本能
焦り本能は、その名のとおり
あなたに対して
【 焦り 】
をもたらす本能です。
本能というものは、基本的には自分の意思とは無関係に出てしまうもの。
先ほど、防衛本能を紹介しましたが、全ての本能があなたにとっていいように働く、とは限りません。
しかし本能は本能。
あなたの意思とは無関係に生じてしまうので、焦らないようにしよう!と思ってもなかなかそうはいきません。
では、どういう時にこの焦り本能が働くのでしょうか。
以下に例を挙げて説明します。
・今日は仕事なのに、朝寝坊してしまった!早く支度しないと遅刻する!
・周りのみんなが、投資を始めた。早く自分も始めないと損をしてしまう!
・あれ?バッグに入れたはずのスマホがない!もし見つからなかったらどうしよう!
・あなたがいいなーと思っていた商品が、会員登録すれば50%オフで購入できる!残り時間はあと3分しかない。
上記のような経験をしたことはないでしょうか。
ほとんどの人が焦ってしまい、冷静さを欠いたまま行動してしまうと思います。
特に最後の文なんて、それ楽○スーパーセールやないかい!(ミルクボーイ風)という声が聞こえてきそう(笑)。
でも買っちゃいますよね。(自覚有り)
これが焦り本能です。焦っている時というのは、冷静な判断ができません。
焦ることによって事故を起こしてしまったり、怪我をしたり、仕事でミスをしてしまったり、ついポチッと課金してしまったり、というようにいつもの自分ならするはずのない失敗をしやすい状態になってしまいます。
(課金することが悪いということではありません。課金するかしないかは個人の自由です。)
詐欺の具体例
詐欺師(もしくはあなたを騙そうとする人)は、この焦り本能を利用することで、相手が冷静に判断できない状況を作りだします。
注意:くれぐれもこの焦り本能を利用して、詐欺行為を働くことのないようにお願いします!
例えばオレオレ詐欺(現在の正式名称は特殊詐欺)が典型的な例の一つです。
あれは焦り本能を盛大に刺激することで、被害者からお金を巻き上げています。
普通の状態であれば、息子だと名乗る者から電話がかかってきても、疑ったり、他の人に確認するなどして、すぐに大金を振り込むことはありません。
ですので、多くの人がこんな単純なやり方に引っかかるわけないだろ、とタカを括ってしまい、詐欺の被害にあってしまうケースが後を立ちません。
警察庁のHPによると令和2年度の特殊詐欺の被害総額は、277.8億円という莫大な金額となっています。
件数にしても13000件以上・・・!
(詳しくは下記のリンクから警察庁のHPへ)
これだけ世の中に認知されて様々な対策を打ち出しているにもかかわらず、多くの人が被害に遭われているということは、単に警察の捜査や騙される被害者側が悪い、という問題なのではなく、
加害者の巧妙な手口によって、被害者が焦り本能を利用されてしまい、冷静さを欠いて普通に判断ができない状態にされてしまっているからではないかと思います。
一番初めにこのやり方を考えた方は、本当に恐ろしいです。
やり方も難しくないので、すぐにやり方を真似て第2第3の加害者が出て多くの被害者が出るでしょう。
普段から、引っかからないように様々な詐欺のパターンを知って準備しておかないといけません。
騙そうとする相手は騙すために練習をしたり、台本を作って、迫真の演技をしてきます。
というか、普段から何食わぬ顔でいち企業として経営すらしているところもあります。
特に複数人で1人の相手を追い込む劇場型と呼ばれる手法は、次々に人が変わり、家にまで訪問したりして信憑性を高めようとします。複数の人が一人の人間を騙すために間髪入れずに判断を迫り、相手を混乱させ、考える隙を与えません。
このように焦り本能は詐欺の現場で利用されることが多いです。
やり方は違えど、チャンスの神様は前髪しかないから今すぐ掴まないと、と言って相手に今すぐ何かを決断させるやり方は本質的には似ています。
相手に対して助力して、あたかも自分の意思で決めたかのように錯覚させるやり方は、ある意味ではオレオレ詐欺に見られるような特殊詐欺よりも残酷なやり方かも知れません。
自分で決めたことだから訴えることも難しいですしね。
対策の一つとしてこういったやりとりは口頭ではなく、メールなど書面に残るものでやりとりをすることをお勧めします。
被害に遭わないためには、結局のところ加害者の知識や技術を上回るしかありません。
もちろん一人でやる必要はありません。警備会社、セキュリティソフトなど利用できるサービスは大いに利用しましょう。もちろんそればかりに頼りすぎることのないようにしましょう。
焦り本能が働いたら
では、このやり方をやられたらどう対処すればいいのか。
答えは簡単です。
今すぐに決めなければいいのです。
具体的には、まず
① 今自分が焦っているという状態を認識することから始めます。
この状態に気づいたら、
②今の自分は冷静な判断をできる状態ではないことを理解します。
ここまで気づくことができたら、
③今すぐに決めないという選択肢を選ぶ。
おそらく相手は怒ったり、落胆したり、さまざまな表情を見せてくるでしょうが気にすることはありません。
なぜなら、
あなたに向かって走ってくる車があるとか、
野生のクマと遭遇したとか、
自身の命に関わるようなこと以外は、今すぐ決めなければならない状況は、ほぼほぼ存在しないからです。
終わりに
今すぐ掴まなければ二度と来ないチャンスなんてありません。
しっかりと準備をして待っていれば、再びチャンスは巡ってきます。
特別なチャンスが来ることを期待して待つよりも、身近なチャンスを自分で見つけて、確実にものにする方がよほど現実的で、その費用対効果も大きいです。
冷静に考えましょう。
今すぐ始めるのと、明日から始めるのとでは具体的にどれだけ差が出るのでしょうか。
例えば、ある特別な情報があなただけに来るほど、あなたは特別な選ばれし人間なのでしょうか。
他の人に相談してはいけない理由はなぜなのでしょうか。
私も騙されやすいし、すぐに焦ってパニックになりそうになります。
このファクトフルネスを読んで少しは自分の本能が理解できるようになりました。
騙されやすいあなたにこそ、今すぐこの本を読んで欲しい。
あなたが騙されないために取る手段は一つ、下のリンク先をクリックするだけです。
騙されたくない方は、ここをクリック!
安心してください。
ボタンにリンクは貼っておりません。
ここまで読んでくれたあなたは流石に引っかかりませんでしたよね?笑
それではまた。
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